26 キリスト教三大異端の特徴(The Characteristics of The Three Major Cults)

「聖書を開き、みことばを読み、その章全体を読み通す。それなのに、目の前のページに書いてあることとは全く異なった結論を引き出している場合さえある。

このような危険に陥るのは、私たちに自分の意見をもって聖書に近づく傾向があるからである。自分の意見をもって聖書に近づくために、読むことがみなそれに支配されてしまう。

しばしばこういう経験をすることがある。自分の思ったことは、なんでも聖書から証明できるとも言える。このようにして異端が起こってきた。」

「異端者は、必ずしも不誠実な人ではなかった。彼らは誤りをした人なのである。彼らは、故意に誤りの道に行き、誤りを教え、説く人であるかのように考えてはならない。

彼らは教会の歴史において、まじめな人物と数えられる人である。問題はそこにあるのだろうか。それは次のような点である、つまり彼らは、ある見解を展開させた。

もちろん、彼らはそれが気に入っていた。そこで彼らは、この見解をもって聖書に立ち返った。

そして、彼らは聖書の至る所で、自分と同じ考えを発見するように思ったのである。

・・・自分の見方た先入観をもって、あるいは自分の気に入った考えをもって聖書を読むことほど、危険なことはない。」

(マーティン・ロイドジョンズ)

異端者の中には不誠実な教祖も少なくない。

【エホバの証人(ものみの塔聖書小冊子協会)

1884年にアメリカにてチャールズ・テイズ・ラッセルが創始。2008年時点でエホバの証人の全世界での平均伝道者数は700万人超と公表している。これは世界人口の約0.1%である。 日本においては約21万人の伝道者が活動している。

●三位一体の否定。

●エホバ神が天使長ミカエルのみを創造。

●天使長ミカエルが人間イエスになり、万物を創造。

●聖霊は神ではなく、神の非人格的な活動力。

●不滅の魂と地獄の存在の否定。

●キリストの復活は肉体の復活ではなく、霊的な復活。

●イエス・キリストの死刑は十字架でなく杭。

●輸血の禁止。このため自分の子供を死なせた惨事が後を絶たず社会問題化。

●キリストは1914年に不可視的に再臨。

●エホバの証人の中で「14万4千人」と言われる者たちが重要な職務に就き、天に行く。それ以外の信者は「大群衆」とか「他の羊」とか「ヨナダブ」と呼ばれ、天での永遠の将来を持たず、地上の楽園で永遠に過ごすことになる。

●救いは信仰よると一応説くが、実際には行いによる救いを説く。その行いのうちで最高のものが伝道である。会員全員が伝道者とみなされていて、1人平均毎月40時間の布教活動を行っているという。

●教典は「新世界訳聖書」と「聖書の研究」(全7巻。上記を補強する中心的教典)。

【モルモン教(末日聖徒イエス・キリスト教会)】

1830年アメリカにてジョセフ・スミス・ジュニアが創始。現在の会員数は教会の公式発表では全世界で1200万人超。日本における信者数は12万人。

●人間と同じ肉体を持つ天父(エローヒム)と天母、その他無数の神々。多神教。

●イエス・キリストは天父エローヒムが生み出した旧約聖書のエホバで万物を創造。モルモン信者の霊の長兄。

●聖霊は父なる神、イエスとは異なり、骨肉の体を持たない。

●救いの最終的な目標は「神になること」。人は現世に来る前に天の家族で神と共存し、霊の状態で生活していたが、進歩する訓練として地上に来た。「救われる」とは、この天の家族に帰ることを意味する。天でより高い階段に昇るために、地上で忠実にモルモン教のおきてを守り、儀式を受けなければならない。天での最高の王国は「日の栄光」である。そこに昇り永遠の命を得ることを「昇栄」と呼ぶ。昇栄した人々は、神々になり、天父とイエス・キリストと永遠に住む。

●永遠の結婚。昇栄する条件がバプテスマを受けうることや様々な戒めや儀式を受けることだが、その中に永遠の結婚がある。この結婚は、最高の王国に昇り「神」となった者が霊の子を生むためである。世俗の結婚をしても神殿での「永遠の結婚」をしない信者や独身の信者は、「神」になれず、天使に任命される。

●死者のためのバプテスマ。死後にも救いのチャンスがあるとし、家系を調べ、知りうる限りの親族の代わりに神殿でバプテスマを受けることが義務付けられ

ている。

●一夫多妻。これは今日では行われていないと言われる。未婚で死んだ人は天で神々になれず最高の祝福を受けられないという信仰があり、会員数が比較的多い女性信者のためにこの制度ができたという。後にアメリカの法律で禁止されたが、この制度はキリスト再臨の時にもう一度回復すると信じている。

●聖書の他に『モルモン経』『教義と聖約』『高価なる真珠』を教典とする。

●アメリカ大陸に、新エルサレムが建てられる。

●飲酒、喫煙、喫茶(コーヒー、紅茶、お茶)の禁止。

なぜモルモン教はキリスト教ではない?(PDF)

【世界平和統一家庭連合(旧:世界基督教統一神霊協会=統一協会)】

1954年韓国にて文鮮明が創始。2006年現在、教団は「世界 190余ヶ国に宣教師を送り、150万名の信者がいる」としている。 過去の年代における信徒数については、1995年の文化庁統計によれば、日本の信徒数は47万7000人。実際には誇張で数万人と言われる。

●聖書は真理を見出すための教科書であり、真理ではない。『原理講論』が真理である。2001年より『天聖経』が原理講論に肉を付けたより詳細な教典。近年では説教集『天聖経』(2003年編纂)が『原理講論』以上に重視されるようになっているといわれる。

●イエス・キリストは十字架につけられるために地上に来たのではなく、地上天国を創るために来たが、十字架刑にされ、神の本来の計画は失敗してしまった。しかし神はその死を無駄にしないために、その十字架を霊的な救いだけに用い、イエスは肉体の救いのために地上に再臨しなければならないとする。イエス・キリストの十字架の贖いを不完全なものとし、救いを神からの一方的な恵みと信仰のみによる義認とは認めない。

●イエス・キリストは祭司ザカリヤとマリヤの間に誕生。結婚して、子供を産むことになっていた。イエスは創造目的を完成した人間にすぎない。だれでも努力によってその域まで達することができる。イエスは創造目的を完成した人間として神性を持っていたが、神ご自身ではないし、神にはなりえない。

●聖霊はイエスの妻。イエスは天で働き、聖霊は地で働く。

●蛇は天使を比喩したもので、姦淫罪によって堕落した。堕落には、霊的堕落と肉的堕落があり、合わせて完全堕落という。霊的堕落は天使とエバの姦淫関係で、肉的堕落はエバとアダムとの姦淫行為である。人間の堕落は霊的、肉的両方を含んだ完全堕落である。

●堕落した人間が創造本来の状態に復帰するために、神が罪の解決のために95%を行ったが、あとの5%の責任(罪の清算)を人間が果たさなければならない。この5%の責任を埋めるに足る条件を立てること「蕩減(とうげん)条件を立てる」と言う。これは統一協会の上司の命令に服従することによって達成されていくのであり、会員を苛酷な活動に駆り立てる心的な原動力となっている。蕩減条件を立てて本来の位置と状態に戻ることを「蕩減復帰原理」と言う。

●国際合同祝福結婚式。合同結婚のことで、「再臨主=文鮮明」によって執り行われる結婚で、「真の父母」(文鮮明と韓鶴子)と一体となることを意味する。これにより、堕落した父母の血統を受け継いで堕落圏にある人間が「真の父母」と一体となって、堕落圏を乗り越え、救いが完成される。

●文鮮明が、再臨のキリストである。神はイエスを地上天国建設のために送ったが、イエスはその使命を果たせなかったため、今度は再臨のキリストとして文鮮明を地上に送り、地上天国建設の使命を託した。

●エバ国家の日本が、アダム国家の韓国に尽くす。

●文鮮明が、世界の宗教、言語、思想を統一するのが目標である。

●世界平和統一家庭連合の総裁は文鮮明の3番目の妻で韓鶴子。教団内では「真のお母様」と呼ばれる。